記事一覧に戻る

EmailJSによるフォーム連携の仕組みと実装のコツ

サーバーレスでメール送信を実現するEmailJSの仕組みと導入ステップを解説。静的サイトにも簡単に問い合わせフォーム機能を追加できる実装方法をご紹介します。

2025/6/11
8分
S.O.

EmailJSによるフォーム連携の仕組みと実装のコツ

Webアプリケーションや静的サイトに問い合わせフォームを設置する際、サーバーを用意せずにメール通知を実装したい場面は少なくありません。そんなニーズに応えてくれるのが、EmailJSです。

EmailJSは、サーバーレスでメール送信を可能にするサービスで、GoogleフォームのようなUIではなく、開発者が自由にデザインしたフォームと簡単に連携できるのが最大の特徴です。

本記事では、EmailJSの仕組み、導入ステップ、実装時のコツを図解とともに紹介します。


🔧 EmailJSとは?

EmailJSは、クライアントサイド(HTML/JS)から直接メール送信を実現できるSaaSサービスです。主な特徴は以下の通りです。

特徴説明
サーバー不要フロントエンドのみで完結し、バックエンドを構築せずに運用可能
多数のメールサービスに対応Gmail, Outlook, Yahoo, custom SMTP などとの連携が可能
テンプレートによる管理送信メールの内容をテンプレートとしてEmailJS上で定義できる
簡単なAPIキー認証プライベートキー/パブリックキーによる安全な送信認証が可能

🧩 フォーム連携の仕組み(図解)

CSS

[User Input Form]
      ↓
[EmailJS SDK (JS)]
      ↓
[EmailJS API Server]
      ↓
[指定のメールサービスから送信]
      ↓
[受信者のメールボックス]

このように、ユーザーが入力したフォーム内容はJavaScript経由でEmailJSに送られ、テンプレートに沿って任意のメールアドレス宛に配信されます。サーバーを介さずとも、信頼性の高いメール通知が実現できる仕組みです。


🚀 実装ステップ

EmailJSを導入する手順は非常にシンプルで、以下の4ステップで完了します。

① EmailJSにアカウント登録・初期設定

  • https://www.emailjs.com/ にアクセスし、無料アカウントを作成
  • Email Service(Gmailなど)と連携
  • メールのテンプレートを設定(件名、本文、動的変数など)

② フォームの作成(HTML)

HTML

<form id="contact-form">
  <input type="text" name="user_name" placeholder="お名前" required />
  <input type="email" name="user_email" placeholder="メールアドレス" required />
  <textarea name="message" placeholder="お問い合わせ内容"></textarea>
  <button type="submit">送信</button>
</form>

③ EmailJS SDKの導入と初期化

CDN経由の場合:

HTML

<script type="text/javascript" 
        src="https://cdn.jsdelivr.net/npm/@emailjs/browser@4/dist/email.min.js">
</script>
<script>
  emailjs.init("YOUR_PUBLIC_KEY"); // パブリックキーで初期化
</script>

npm経由の場合:

JavaScript

import emailjs from '@emailjs/browser';

emailjs.init("YOUR_PUBLIC_KEY");

④ JavaScriptで送信処理を実装

JavaScript

document.getElementById('contact-form')
  .addEventListener('submit', function(e) {
    e.preventDefault();
    emailjs.sendForm('YOUR_SERVICE_ID', 'YOUR_TEMPLATE_ID', this)
      .then(() => {
        alert('送信完了しました!');
      }, (error) => {
        alert('送信に失敗しました:' + error);
      });
  });

💡 実装のコツ・ベストプラクティス

✅ 1. APIキーの管理

EmailJSpublicKeyは公開前提のキーですが、privateKeyを使用する場合はNetlify Functionsなど環境変数で保護することが推奨されます。

✅ 2. バリデーションとBot対策

  • HTML5のrequired属性で基本的なバリデーションを実装
  • Google reCAPTCHA v2/v3との併用も可能

✅ 3. 送信後のUX改善

  • 送信完了メッセージ表示やフォームのリセット処理でユーザー満足度向上
  • 非同期送信中はボタンを無効化するなどのフィードバック演出も重要です

✅ 4. 通知ログの確認

EmailJSのダッシュボードから送信履歴が確認できるため、開発後の運用監視にも対応します。


📦 こんな時に便利

  • 静的ホスティング(GitHub Pages, Netlify, Vercel等)上のフォームにメール送信を追加したいとき
  • 小規模サイトにバックエンドを用意するほどではないとき
  • ノーコード/ローコードなフォーム通知が必要なとき

まとめ

EmailJSは、サーバーレスでのメール送信ニーズに対して非常に有効な選択肢です。静的なWebページや簡易アプリケーションにおいても、本格的な問い合わせ機能を手軽に構築できます。

テンプレートの柔軟性や多様なメールサービスとの連携により、導入後のカスタマイズ性も高く、運用負荷も軽減される点が魅力です。

「まずは試してみる」ことが導入の第一歩。サーバーの構築に手間をかけず、セキュアでモダンなフォーム連携を実現してみてはいかがでしょうか。


AI・システム開発でお困りの方へ

SnapBuildでは、このようなAI導入成功事例を多数持つ専門チームが、御社の課題解決をサポートします。

🎯 こんな方におすすめ

  • AI導入を検討しているが、何から始めればよいか分からない
  • 過去のシステム導入で失敗経験がある
  • ROIを明確にした上で導入を進めたい
  • 現場の負担を最小化しながら効率化を実現したい

💡 SnapBuildの特徴

  • 納品物を見てから支払い - 失敗リスクゼロ
  • 初回相談〜見積もり無料 - まずはお気軽にご相談
  • 最短2週間でデモ納品 - スピーディな価値実証
  • 豊富な業種対応実績 - 製造業をはじめ様々な業界でのノウハウ

まずは無料相談で、御社の課題をお聞かせください。成功事例をもとに、最適なAI導入プランをご提案いたします。

🚀 無料相談を申し込む: こちらから無料相談を申し込む

📋 サービス詳細を見る: SnapBuildの詳細はこちら

この記事が参考になりましたか?

AI・システム開発でお困りでしたら、お気軽にご相談ください。専門チームがあなたの課題解決をサポートします。

関連記事

SQLインジェクション防止策〜アプリケーションの信頼性を支える最前線の対策〜

SQLインジェクションの仕組みと防止のための実践的手法を体系的に解説。プリペアドステートメント、ORM、入力値バリデーション、権限分離など多層防御による安全なアプリケーション設計を紹介します。

2025/6/12
9分

WCAG 2.1 AA対応と情報保護の関係~アクセシビリティはセキュリティと矛盾しない~

WCAG 2.1 AAへの準拠がセキュリティ・プライバシー保護とどのように相互補完的に機能するかを、フォーム設計、エラーハンドリング、セッション管理の観点から具体例を交えて解説します。

2025/6/12
10分

AI開発のセキュリティ対策とは〜進化する脅威にどう立ち向かうか〜

AI技術の普及に伴い新たなセキュリティ脅威が浮上している中、AI開発における主要なリスクと対策を解説。データポイズニング、敵対的サンプル、モデル抽出攻撃などのAI特有の脅威から、SecMLOpsによる統合的なセキュリティ設計まで包括的に説明します。

2025/6/12
10分