記事一覧に戻る

セキュアコーディングチェックリスト

ソフトウェア開発の段階からセキュリティを意識したコーディングを行うための実践的なチェックリストを紹介。

2025/6/13
10分
S.O.

セキュアコーディングチェックリスト

~"作る時点で守る"が、最強の防御~


はじめに

セキュアコーディングとは、ソフトウェア開発の段階からセキュリティを意識してコーディングを行う設計思想です。

サイバー攻撃の多くは、開発段階での設計ミス・バリデーション漏れ・エラー処理の不備などを突いてきます。したがって、セキュリティ対策は「後付け」ではなく「書くときに組み込む」ことが最も効果的です。

本記事では、セキュアなアプリケーションを実現するための基本項目を「チェックリスト形式」で紹介します。


1. 入力処理:信頼できないものはすべて疑え

チェック項目説明
✅ 入力値のバリデーションを行っているか型・長さ・形式を正規表現などで厳密にチェック
✅ ホワイトリスト形式で値を許可しているか許可すべき値を明示(例:言語コード、国コード)
✅ HTML特殊文字をエスケープしているかXSS防止(特に<, >, "など)
✅ ファイルアップロード時の拡張子検証.php, .exeなどの危険拡張子を拒否
✅ 入力値を直接SQLに埋め込んでいないかSQLインジェクション対策にプリペアドステートメントを使用

2. 認証とセッション管理:本人確認を堅牢に

チェック項目説明
✅ パスワードは安全にハッシュ化しているかbcryptやArgon2を使用(MD5やSHA1はNG)
✅ ログイン成功時にセッションIDを再生成しているかセッション固定攻撃を防止
✅ セッションタイムアウトを設定しているか放置アカウントの不正利用を防止
✅ 多要素認証(MFA)を導入しているか管理者・特権操作時には特に推奨
✅ トークンはHTTPSでのみ送信しているかCookieにはSecure属性とHttpOnly属性を設定

3. エラーハンドリング:情報漏洩を防ぐ

チェック項目説明
✅ スタックトレースをユーザーに表示していないか内部構造を隠蔽
✅ エラー内容をログに記録しているか問題のトレースと監査に必要
✅ ログに個人情報やパスワードを書いていないかGDPRや情報漏洩対策

4. アクセス制御と認可:やっていいことだけを許す

チェック項目説明
✅ 画面やAPIに認可チェックを実装しているか表示可否・操作可否をロールや属性で判定
✅ クライアントサイドの判定に依存していないかJSやCookieだけで認可せず、必ずサーバー側で検証
✅ 管理者と一般ユーザーの操作を厳密に区別しているかURLやボタン操作で越権できない設計に

5. 外部との連携:安全に通信する

チェック項目説明
✅ API通信はHTTPSを使用しているか中間者攻撃(MITM)防止
✅ Webhookの検証機構があるか署名付きヘッダーやシークレットキーを確認
✅ CORSポリシーを明確に制限しているか信頼できるドメインだけを許可
✅ 外部ライブラリの脆弱性を定期スキャンしているかSnyk、Dependabot、npm audit などでチェック

6. フロントエンドセキュリティ

チェック項目説明
✅ JavaScriptのDOM操作時にXSS対策しているか.textContent優先、.innerHTMLは最小限
✅ CSRFトークンをフォームに付与しているかPOST/PUT/DELETEリクエストで有効
✅ セキュリティヘッダーを設定しているかCSP、X-Frame-Options、X-Content-Type-Optionsなど

7. その他の重要対策

チェック項目説明
✅ デフォルトパスワードを変更しているか初期設定のまま放置しない
✅ アップロードファイルをWeb公開領域に置かないか画像・PDF以外は直接アクセス禁止
✅ 管理画面にIP制限やVPNアクセスを設けているか内部向け機能を一般公開しない
✅ 環境変数や.envファイルが外部に漏れていないかGitにコミットしない、適切なファイル権限を設定

開発フローに組み込む方法

セキュアコーディングを継続的に実現するには、次のような工夫が有効です。

  • Pull Request時のチェックリストテンプレート化
  • 静的解析ツールのCI組み込み(例:SonarQube, ESLint)
  • セキュリティコードレビューの習慣化
  • 定期的な脆弱性診断(動的/手動)

まとめ

セキュアコーディングは、「書き方の美しさ」ではなく、「守り方の基本」です。後から対策するのではなく、最初から安全を"埋め込む"こと。それが、信頼されるプロダクトの条件です。

  • ✅ 入力を信用しない
  • ✅ 認証・認可を丁寧に分離
  • ✅ ユーザーにも攻撃者にも配慮した設計
  • ✅ 日々の開発フローに安全設計を溶け込ませる

AI・システム開発でお困りの方へ

SnapBuildでは、このようなAI導入成功事例を多数持つ専門チームが、御社の課題解決をサポートします。

🎯 こんな方におすすめ

  • AI導入を検討しているが、何から始めればよいか分からない
  • 過去のシステム導入で失敗経験がある
  • ROIを明確にした上で導入を進めたい
  • 現場の負担を最小化しながら効率化を実現したい

💡 SnapBuildの特徴

  • 納品物を見てから支払い - 失敗リスクゼロ
  • 初回相談〜見積もり無料 - まずはお気軽にご相談
  • 最短2週間でデモ納品 - スピーディな価値実証
  • 豊富な業種対応実績 - 製造業をはじめ様々な業界でのノウハウ

まずは無料相談で、御社の課題をお聞かせください。成功事例をもとに、最適なAI導入プランをご提案いたします。

🚀 無料相談を申し込む: こちらから無料相談を申し込む

📋 サービス詳細を見る: SnapBuildの詳細はこちら

この記事が参考になりましたか?

AI・システム開発でお困りでしたら、お気軽にご相談ください。専門チームがあなたの課題解決をサポートします。

関連記事

セキュリティとUXを両立するための工夫

Webサービスやモバイルアプリにおけるセキュリティ強化とユーザー体験(UX)の両立方法を解説。リスクベース認証、MFAのUX改善、フォーム設計など、具体的な実践例と設計原則を紹介します。

2025/6/16
8分

セキュリティテストの自動化:CIにおける対策例

アプリケーション開発におけるセキュリティテストの自動化手法を解説。CIパイプラインへの統合方法、各種セキュリティスキャンツールの活用、DevSecOpsの実践的な導入ポイントを紹介します。

2025/6/16
10分

セキュアなAPI設計と認証方法 ~信頼されるインタフェースをつくるための原則と実装~

API開発者やセキュリティ担当者向けの実践的なガイド。最小公開原則からOAuth 2.0まで、セキュアなAPI設計の6つの原則と4つの認証方式を解説。実装例とチェックリスト付き。

2025/6/13
15分